(秋田県)




 
温泉日記でも書いたように私は11月1日、2日と乳頭温泉郷に滞在しました。しかし、日記のスペースではせっかく撮ったデジカメの写真もすべて掲載できないし、書ききれないほどすばらしい温泉だったので記憶が薄れないうちに特集として残すことにしました。といっても2日間では当然のことながらすべての温泉を廻ることはできませんでした。特集の内容としては薄っぺらなものですが、温泉日記の延長として読んでいただければ幸いです。
■乳頭温泉郷とは

 乳頭温泉郷とは秋田県の田沢湖町にある温泉エリアです。鶴の湯、妙の湯、黒湯、孫六温泉、蟹場温泉、大釜温泉、それに休暇村田沢湖高原の温泉を入れると7つの温泉があります。それぞれ泉質が異なり、濃いので古くから湯治場として利用されてきたようです。よく乳頭温泉という名前の温泉があるように考えている人もいるようですが、代表される温泉の中にはそのような名前の温泉はありません。私が宿泊中にもホテルのロビーで「真っ白な乳頭温泉はどこにありますか?」と問い合わせている方を見かけました。



鶴の湯


■どこに泊まればいいの?

 7つも温泉があるとすべて入るのは大変だと考えがちですが、実は距離的に考えるとそうでもありません。上の地図を見てもわかるように鶴の湯以外は歩いてすぐに別の温泉に行くことができます。それぞれの温泉は宿泊施設もありますので基本的にはどこに泊まっても大丈夫です。私は休暇村田沢湖高原に泊まりました。ここのメリットはすべての温泉の中心に位置していることと宿泊料が安いことです。また宿泊者だけが購入できる温泉スタンプラリーが楽しめます。

 休暇村田沢湖高原
■鶴の湯は入っておこう

 私は最高のロケーションの宿泊施設に泊まったにもかかわらず、1泊しかしなかったのですべてを廻り切れず残念な思いをしました。しかし何かと話題の鶴の湯にはどうしても入りたくて2日目に荷物を持って歩いて行くことにしました。乳頭温泉郷のリーフレットを見ると林道があって簡単に行けそうだったのですが実際は大変でした。所要時間は1時間半くらい、紅葉の季節だったので落ち葉も多くどこが道なのかわからなくなっていました。木に括りつけられた「鶴の湯→」という案内板だけを頼りに林の中を歩きました。途中、山あり谷あり川ありで靴はドロドロ、おまけに鶴の湯の手前で道路工事に遭遇してしまいとどめを刺されました。
 しかし、そんな悲惨な目に遭いながらもそれを忘れてしまうほどすばらしい温泉でした。ただし、有名な温泉だけあって土・日は混雑するそうです。また、帰りはマイクロバスが田沢湖まで出ているのでそれを利用すると良いでしょう。

鶴の湯温泉 10:00〜15:00 400円 含重曹・食塩硫化水素泉
妙乃湯温泉 10:00〜15:00 700円 単純硫黄泉
大釜温泉 8:00〜18:00 500円 酸性含ヒ素ナトリウム塩化物硫酸塩泉
孫六温泉 7:00〜18:00 400円 ラジウム含有泉
蟹場温泉 8:00〜17:30 500円 単純硫化水素泉
黒湯温泉 7:00〜18:00 500円 単純硫化水素泉、酸性硫黄泉
休暇村田沢湖高原 8:00〜16:00 400円 単純硫化水素泉、ナトリウム・マグネシウム炭酸水素塩泉

※料金・利用時間の最新情報は各施設に直接お問い合わせください。

妙の湯

大釜温泉

蟹場温泉


■すぐ隣でも泉質は異なる

 休暇村のメリットは場所的なことだけではありません。ここの温泉は内湯が乳白色の硫化水素泉、露天風呂は茶色っぽいナトリウム・マグネシウム炭酸水素塩泉なんです。それぞれは通路でつながっているので一度に二つの温泉を楽しむことができます。
 また、休暇村をほんの少し上ったところに妙乃湯があります。実はここは私が最初に泊まろうとしてすでに満室だったところです。品が良さそうな建物の中の温泉は単純硫黄泉。
 妙の湯を横目にさらに坂を上ると昔学校だった建物の中にある大釜温泉が見えて来ます。ここは酸性含ヒ素ナトリウム塩化物硫酸塩泉です。このように隣近所にも関わらず全く異なる泉質の湯を楽しめるのが乳頭温泉の大きな特徴と言えます。
■秘湯感いっぱいの蟹場温泉

 点在する乳頭温泉の中でずっと山の奥まで登り詰めると現れるのが蟹場温泉です。名前の由来は、付近の沢に蟹が多く住むところから名付けられたそうです。内風呂は男女別の岩風呂、木風呂があり、かき卵のような湯の花が浮いています。これと反対側を出て少し歩いたところに露天風呂(唐子の湯)があります。こちらは混浴なので女性の入浴はちょっと遠慮がちですが入らないときっと後悔します。今回私が入った中では一番秘湯感を味わうことができました。
 ちなみに蟹場温泉は「かにば」ではなく「がにば」と読みます。

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